日本では空き家が増えています。日本の人口が減少しているのが根本にあるので空き家が増えることは理解出来ますが、細かく見るとそこには様々な理由があるようです。
空き家の状況や劣化の程度にもよりますが、防犯上の課題となるのは詐欺グループが受け渡し場所に空き家を無断で利用したり、防災上の課題では火災の延焼が空き家によって広がる要因になったり、大地震では老朽化した空き家が倒壊する危険が生じることもあります。
このようなことは、過疎化が進む地方圏の話だと思われがちですが、世田谷区・杉並区などの都内の住宅街でも増えており、掲載写真のような築年数が経過したマンションや公営住宅などでも空室が増えています。

今回のブログは、公営住宅の空室を上手に利用している取り組みを紹介したいと思います。
都営住宅では全入居者の半数以上が65歳を超えるなど、高齢化が進んでいます。そこで、東京都は自治会活動の維持に向け、2021年度に学生の入居解禁に踏み切りました。学生は草刈りや清掃、イベント参加などを条件に入居して自治会の活動を支援します。各大学と東京都が個別に協定を結び、近隣の都営住宅で学生を募るのです。通常の賃貸住宅と比べて、低価格で借りられるのが魅力で2025年10月末の時点で14大学の学生76人が入居しています。
例えば、墨田区内の2DKの物件は月額賃料が2万円台で収まり、上昇が続く周辺の賃料相場と比べると低価格です。学生の中には団地での暮らしを研究に生かす学生もいて、武蔵野大学で社会福祉を学ぶ学生は、都営住宅での高齢者の見守り活動を卒論のテーマに執筆中で、団地暮らしそのものがフィールドワークになっています。
神奈川県も2020年から横浜市にある県営笹山団地を横浜国立大学の学生に向けて、月額賃料5000円で貸し出しています。自治会の祭りや餅つきを手伝い、高齢者向けのスマホ教室にも取り組んでいて、団地の活性化に貢献しています。
笹山団地は1960年代に建てられた集合住宅で、高齢化率は60%を超えます。神奈川県は老朽化を理由に、2028年までに建て替え設計を予定しています。一般世帯の新規入居募集は2020年に停止し、2025年4月現在では1478戸のうち半分近い675戸が空室でした。
神奈川県は県営住宅の空室を社会福祉法人やNPO法人にも貸し出しており、介護や仕事で神奈川県内に転入しやすいように「県内に6ヶ月以上居住している」という要件を2020年に廃止するなど、制度面でも空室対策を充実させています。
群馬県では前橋市にある県内最大級の広瀬団地でも、学生が住み込みで再生に取り組むプロジェクトがあります。群馬県営住宅、前橋市営住宅、群馬県住宅供給公社の住宅が集まり、2000戸を超える広瀬団地では、前橋工科大学が中心に始まったプロジェクトで、入居条件は「街づくりに携わること」となっています。地元企業も参画し、学生らの協力でリフォームをしたり、居住者向けに地元への就労支援もしてきました。
各地ではこのように様々な工夫を凝らして、大学卒業後も若い人達がそれぞれの地域への定着してくれるような環境を整えています。学生時代だけでなく、卒業後の住居確保も必要となるので、上昇が続く不動産市況ではその辺りが課題となりそうです。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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