売れない土地を手放す方法として、専門買取業者への売却・相続土地国庫帰属制度・隣地所有者への譲渡・自治体寄付・マッチングサイト活用の5つを解説します。
放置によるリスクと、土地の状況別に適した選択肢も紹介します。
売れない土地を手放す方法にはどのようなものがありますか?
「専門買取業者への売却」
「相続土地国庫帰属制度の利用」
「隣地所有者への譲渡・売却」
「自治体や法人への寄付」
「マッチングサイトの活用」
の5つの方法があります。
土地の状況に合わせた選び方のポイント
どの方法が最適かは、土地の状態や権利関係によって大きく変わります。たとえば、建物が残っておらず境界も明確であれば、買取業者による売却が比較的スムーズに進みやすいでしょう。
一方で、遠方にあり活用予定もなく早期に手放したい場合は、相続土地国庫帰属制度も選択肢になります。また、隣地が住宅や事業用地として利用されている場合は、隣地の拡張ニーズを背景に、隣地所有者への売却が成立することもあります。
まずは立地・建物の有無・境界・利用状況を整理し、複数の手段を比較しましょう。
専門の買取業者に依頼した場合のメリットは?
専門の買取業者は、一般仲介では売却が難しい土地でも活用ノウハウを持つため買い取れるケースがあります。契約不適合責任が免責されることが多く、最短1か月程度で手放せる場合もあります。
仲介との違いと買取業者のメリット
仲介は市場で買主を探す仕組みのため、需要が低い土地では売却までに長期間かかることがあります。
一方、買取業者は自社での活用や再販を前提に直接購入するため、スピード重視で手放せる点が大きな特徴です。さらに、契約不適合責任が免責されるケースが多く、売却後に不具合対応を求められるリスクを軽減できます。
更地にする必要がない場合もあり、現状のまま相談できる柔軟性もあります。時間や手間をかけずに確実に処分したい人に向いている方法です。
相続土地国庫帰属制度を利用するには条件がありますか?
相続土地国庫帰属制度は、相続で取得した土地を国に売却するのではなく、一定の条件のもとで国庫に帰属させる制度です。申請には審査手数料14,000円と20万円※の負担金が必要で、建物がある・担保が設定されている・境界が不明確な土地は対象外となります。
※土地の種別・面積・条件により変動
申請できる土地・できない土地の違い
相続土地国庫帰属制度はすべての土地が対象ではなく、一定の要件を満たす必要があります。
たとえば、建物や工作物が残っている土地、担保権が設定されている土地、境界が不明確な土地は申請できません。
また、崖地や土壌汚染の可能性がある土地など、管理や安全性の観点で国の負担が大きい土地も対象外となる場合があります。事前に境界確定や不要物の撤去が可能かを確認し、申請条件を満たせる状態にしておきましょう。
費用と申請手続きの流れ
申請には、土地1筆ごとに14,000円の審査手数料が必要で、却下された場合でも返金されません。
承認後には原則として1筆あたり20万円の負担金を納付する必要があります。手続きは法務局への申請書提出から始まり、書類審査や現地調査を経て可否が判断されます。
審査に半年から1年程度かかるケースもあり、即時に手放せる制度ではありません。事前準備や書類整理に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
出典:法務省:「相続土地国庫帰属制度の概要」 法務省:「相続土地国庫帰属制度の負担金」
隣地所有者や自治体への譲渡・寄付は現実的ですか?
隣地所有者への譲渡は敷地拡張のメリットがあるため交渉が成立しやすいケースがあります
。一方、自治体への寄付は維持コストのかかる土地を断られることが多く、事前に窓口へ相談して受け入れ条件を確認することが必要です。
土地を譲渡・寄付する流れ
隣地所有者に譲渡する場合は、まず所有者に連絡し、土地の購入または無償譲渡の意向を確認する必要があります。条件が合えば売買契約や贈与契約を結び、名義変更の手続きを行います。
一方、自治体への寄付は必ず受け入れられるわけではなく、事前相談で管理負担や利用計画などが審査されます。維持コストがかかる土地は断られるケースも多いため、複数の選択肢を同時に検討しながら進めることが現実的です。
売れない土地を放置すると、どのようなリスクがありますか?
売れない土地を放置すると、固定資産税の負担が続くほか、2024年4月に義務化された相続登記を怠った場合は過料が科される可能性があります。管理不全による第三者への損害賠償リスクも生じるため、早めの対処がおすすめです。
固定資産税・維持管理費が続く
土地は使用していなくても所有している限り固定資産税が発生し続けます。また、雑草の除去や境界の維持、見回りなどの管理費用も継続的に必要です。
とくに遠方の土地では、現地対応のための交通費や手間も負担になります。放置期間が長くなるほど草木の繁茂や景観悪化が進み、近隣トラブルの原因になることもあります。
金銭面だけでなく、管理の手間や精神的負担も積み重なる点に注意が必要です。
倒壊・不法投棄・登記未申請による法的リスク
管理されていない土地は、不法投棄や雑草の繁茂などによって近隣環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
とくに古い建物が残っている場合は、倒壊による事故や損害賠償責任が発生するリスクもあるため注意が必要です。また、2024年4月以降は相続登記が義務化されており、正当な理由なく放置すると過料の対象となる場合があります。
単なる維持費の問題にとどまらず、法的責任や近隣トラブルにつながる可能性があるため、早期対応が必要です。
出典:法務省民事局:「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」
まとめ
売れない土地を手放す方法には、買取業者への売却・相続土地国庫帰属制度・隣地所有者への譲渡・自治体への寄付・マッチングサイトの活用など複数の選択肢があります。
ただし、土地の立地や状態、権利関係によって現実的に取れる方法は異なるため、まずは現況を整理しましょう。判断に迷う場合は、専門家に相談しながら進めるとスムーズです。
株式会社アドワン・ホームでは、不動産の買取や売却相談に加え、活用が難しい土地の整理や処分についても対応しています。司法書士や弁護士などの士業と連携した体制により、相続登記や権利関係の整理が必要なケースでも窓口ひとつでご相談いただけます。
他社では対応が難しいと言われた土地についても、状況に応じた最適な方法をご提案可能です。手放し方が分からない土地でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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