都心部を中心に不動産価格が上昇していますが、政府は住宅ローン減税を5年間延長する方針です。住宅ローン減税とは、住宅ローンを組んで住宅を購入した際に、税金の支払いが少なくなる制度です。年末の住宅ローン残高から、一定の比率にあたる額を所得税などから差し引きます。
何度も延長されてきた制度ですので、今回も延長が予想されていましたが、今回の特徴は減税が使える住居の広さを緩和される見込みです。今回は住宅ローン減税について書きたいと思います。
借入限度額や期間は、これまでに何度も制度を変更してきた住宅ローン減税。かつては比較的シンプルでしたが、今では新築・中古、子育て世帯・一般世帯、省エネ基準などを区別して、借入限度額などが細かく細分化されています。新築・中古では新築が、子育て世帯・一般世帯では子育て世帯が、省エネ基準では省エネ性能が高い方が優遇されており、控除額が高く設定されています。また、子育て世帯とは19歳未満の子供がいるか、夫婦のいずれかが40歳未満としており、それ以外は一般世帯となります。
現在の住宅ローン減税は、2022年に始まり2025年に期限が切れるのですが、2030年まで制度を変更した上で延長して、価格が上昇しているマイホーム取得を後押しします。
2026年からは税金から差し引けるのは年末借入残高の0.7%で、対象期間は新築住宅などで最長13年としている大枠は維持される見込みです。その上で、減税の対象となる住居の床面積は、原則40平米以上に改正される見通しです。現在は原則50平米以上で、例外として合計所得金額が1000万円以下の新築に限って40平米以上となっています。
2050年までの日本の人口や世帯構成を見通すと、主に増えるのは単身世帯や高齢世帯であり、そのような層が住宅ローン減税を使いやすくする目的での制度変更です。住宅業界でも間取りを工夫することで、以前より狭くても3LDKや2LDKといった間取りを確保出来るようになっています。国土交通省の建築着工統計によりますと、分譲マンションの平均床面積はピークである2001年の95平米から2024年には70平米に大きく減少しました。
中古住宅への支援も広げる方針です。現在は省エネ性能が高い住宅でも年末残高は3000万円、減税の適用期間も10年がそれぞれの上限でしたが、年末残高の上限引き上げと適用期間の引き上げが検討されています。
省エネ性能が高い中古住宅が増えていることや、不動産価格の上昇で中古住宅が注目されていることも影響しており、中古住宅の流通を促すことでより幅広い世帯に価格を抑えた住宅の普及を目指します。
これらは議論の段階でまだ正式に決まったことではありませんが、年内にまとめる2026年度の税制改正大綱への反映を目指して調整されています。不動産価格が大きく上昇していますので、私のような不動産業者だけでなく、不動産を売る方・買う方にとってもどのような数値で最終的に決定するのか注目されそうです。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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