不動産投資信託の国内REIT(リート)で、最大級の買収がありました。
国内REITは数十の銘柄がありますが物件の種類別に特化しており、物件種類の中には物流施設、オフィスビル、ホテル、住宅などそれぞれに特化して物件を買っています。

今回の最大級の買収物件は、新宿区にある高級ホテルのハイアットリージェンシー東京(掲載写真)です。
取得額は1260億円でホテルの買収としては過去最大規模となります。
買収したのは、ホテルに特化したREITのジャパン・ホテル・リート投資法人です。
ハイアットリージェンシー東京は東京都庁の北側に位置する28階建て全712室で、外国人観光客の利用が多いことで知られ、2025年は約9割が外国人観光客の利用でした。
かつては、小田急電鉄が所有していましたが、2023年に米国投資会社のKKRと香港投資会社のガウ・キャピタル・パートナーズへ売却しました。KKRとガウ・キャピタルは当時600億円ほどで購入したとみられ、今回はおよそ2倍の価格で取引されたことになります。両社は3年ほどの保有で大きなキャピタルゲインを得ました。
REITが過去に高額取得したホテルでは、ヒルトン福岡シーホークが643億円、ヒルトン東京お台場が624億円、シャングリ・ラ東京が420億円と続きますが、今回は過去と比べてかなりの高額取引となりました。
今回はREITについて書きたいと思います。
国内REITはJーREIT(ジェイ・リート)とも呼ばれ、日本の不動産に投資する上場投資信託です。証券会社に口座を開設すれば、株取引のように平日は9時から15時半まで自由に売買出来る金融商品となっており、市場の流通性は高い点が特徴です。
よって、手軽に不動産投資が出来るので、アパートや区分所有マンションを買うよりも簡単に共同での不動産オーナーになれて、売る時も証券会社に注文を出せば簡単に売ることが出来るので換金性が高いです。
「不動産投資は敷居が高い」と思われる人などは、物件の選定や管理はプロ(不動産投資法人)に任せることが出来る点は魅力です。投資家から集めた資金でプロが有望物件に投資します。REITは複数の物件に投資するので、REITを1銘柄買うだけでも複数の物件への分散投資にもなります。
国内REITは利益の90%超を投資家へ支払うと、法人税がかからないというルールがあり、そのため利益の大半を投資家への分配金として出す銘柄が多く、市場の平均利回りは4〜5%程度で推移することが多く、日経平均の配当金の平均利回り2%程度と比べると魅力的ではあります。
また、証券会社でNISA口座を開設し「成長投資枠」でREITを買えば、分配金や売却益にかかる税金はゼロになるメリットもあります。
但し、物件購入は借入金で賄うことが多いので、現在のような金利上昇局面では金利負担が増える傾向にあるので注意は必要と言えそうです。逆に為替やトランプ関税などの影響は受けにくいとも言えます。
次は物件の種類別の特徴について書きます。
物件の種類は大きく6つに分類され、物流施設、オフィス、ホテル、商業施設、住宅、ヘルスケアの6つです。
①物流施設は幹線道路沿いに建設されることが多く、5〜10年の長期契約を固定賃料で契約を結ぶケースが多いので、賃料が上がりにくいことが多いです。物流業界の動きが活性化されている時は需給が引き締まり、賃料が上がりやすくREIT価格も上がりやすいです。
②オフィスREITはエリアの特性や今後新規で竣工予定の大型オフィスビルの供給状況や、企業の増床意欲などが賃料に影響しやすいです。現在はコロナ後を経て出社回帰の傾向にあり、また人材確保の為に駅から近い高品質な物件を選ぶ傾向にあり、都心部では需給が引き締まっている状況です。オフィスビルの 契約期間は2年程度と短めなケースが多く、現在のようなインフレ下では賃料を柔軟に上げられる点が強みです。
③ホテルは国内外の旅行者の動向が大きく、2025年は海外からのインバウンド観光客が初めて4000万人を超え、ホテルの宿泊料金は上昇傾向で概ね活況となっています。しかし、景気の影響を受けやすく、中国・韓国などからの観光客が減るようなニュースには注意が必要です。
④商業施設はホテルと同様に変動賃料を取り入れているところが多いのですが、商業施設では固定賃料が収益の土台となっているので、直近の業績や分配金利回りは比較的安定しています。また、借入金比率が低めなので金利上昇の影響を受けにくい傾向にあります。
⑤住宅は一戸建て住宅がREITに組み込まれていることもありますが、大半は総戸数の多い大型の賃貸マンションがメインとなっています。物価の岩盤品目として変動が少なかったのですが、ここ最近は住宅賃料も上昇傾向にありますが、借入金比率は高めなので金利上昇の影響は受けやすいです。
⑥ヘルスケアは高齢者向け住宅や医療施設ですが、賃料上昇の余地は少ないので期待値は低いかもしれませんが、安定感はあります。
不動産投資で不動産を購入する場合は低価格物件でも数百万円はします。都内で区分所有マンションの購入だと数千万円から、賃貸アパート・マンションで一棟建てようとすると億単位のお金が必要になる場合が多いです。
その点、REITだと10万円前後から買える銘柄があり、比較的気軽に不動産投資を始められる金融商品と言えそうです。
とはいえ、株取引のように価格が日々変動して、リスクとリターンは高めの金融商品として認識されていますので、投資する際はご注意下さい。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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