自治体の2022年度の水道事業で6割近くが採算割れをしていました。水道の料金収入が減る一方で、電気料金などが膨らんだことが大きな要因です。
財政難で耐用年数が過ぎた老朽管の更新が遅れており、震災対策は進んでいません。1月1日に起きた能登半島地震では最大11万戸以上で大規模な断水が起きており、現在も復旧していない地域が多いです。3月11日の朝刊には、石川県珠洲市では110戸の住戸で水道が復旧したと記事にありました。それでもまだ珠洲市内では約95%で断水となっています。
更新が遅れているのは地方都市で顕著ですが、地方都市に限ったことではなく都心部でも遅れており、大きな地震が起きると都心部でも同様な事態が起きる可能性が高いと言われています。
全国の水道管で40年の耐用年数を超えた割合は23.8%ですが、2022年度に全国で水道管を新規交換した割合は0.7%です。これでは計算上で100年経っても交換が完了しないので、次から次へと耐用年数を超えた水道管が増殖していくのが現状です。
水道事業は自治体が運営していますが、給水費用は水道料金収入で賄う独立採算制が原則となっています。
しかし、人口減で水道利用者が減り、節水意識の高まりで使用量も減る中、電気料金の値上げでポンプなどの光熱費が増える悪循環となっています。一部自治体では物価代高騰下での住民支援対策として水道料金を数カ月間減免したのですが、その自治体では更に採算が悪化しました。
採算を改善するには水道料金の値上げとなり、岡山市では4月に15%超の値上げを予定し、沼津市では7月に約14年振りに値上げを予定しています。水道料金収入だけで賄おうとすると、30年後には約3倍になる自治体の推計もあり、国・県からの補助金や自治体からの補填もある場合がありますが、赤字補填に頼りすぎる運営では原則から外れており、健全とは言いにくいです。
府中市では水道だけでなく、道路・橋梁・標識などの工事をまとめて発注してコスト削減に結びつけようとしています。高齢化・過疎化が進む地方の多くの地域では基幹管路の整備をしないで、タンク車で水道水を運ぶ運搬送水を検討する自治体も現れています。
水分を摂取しなければ人は死んでしまいます。また入浴・トイレなど衛生面の問題も見過ごせません。南海トラフ巨大地震や首都直下型地震もいつ起こるか分かりません。世間では一部政治家の裏金問題が話題となっていますが、税金の無駄遣いを無くして、効率的にインフラ対策を進めて欲しいです。
株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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