マイナンバーカードの活用

皆さんはマイナンバーカードをお持ちでしょうか？

今回は運転免許証や保険証としての活用を模索する、マイナンバーカードについて書きたいと思います。

政府は2023年2月末までに申請すると、最大2万円分のマイナポイントが付与されるキャンペーンを実施したことで、マイナンバーカードの普及が急速に進みました。2016年に始めたマイナンバーカードですが、マイナポイントキャンペーンを実施するまでは普及率が15％程度で、お世辞にも普及が進んでいるとは言えませんでした。

国や自治体が社会保障と税の個人情報を効率良く管理する目的で導入したのがマイナンバーカードです。普及が進まなかった主な要因は、「個人情報の漏えいが生じたら、紐付けるられた情報の全てが漏れてしまうのでは？」や「個人情報などが国・行政に筒抜けになるのでは？」などといった、情報管理の不安感などが主因です。

多くの国民が不安を感じていたマイナンバーカードですが、マイナポイントの付与というバラマキ政策もあって、直近では75％程度まで普及が進みました。マイナンバーカードは2025年3月24日から運転免許証と一体化して、マイナ免許証を導入すると閣議決定されました。この一体化では運転免許証の更新や住所変更手続きで利便性が高まりそうです。

現行の運転免許証は廃止されないので、マイナ免許証と現行免許証の両方持つことも可能となります。しかし、両方持つメリットが見えにくいところですが、制度上は両方持てることになります。

一体化によって、運転免許証のICチップに保存されている①免許証保有者の写真②有効期間③免許証の種類④メガネ着用などの条件を、マイナンバーカードのICチップに加えます。ICチップに加えるので、マイナンバーカードの券面の表示は変わりません。

マイナ免許証は自治体で住所変更手続きをすると、本人同意に基づき警察庁のシステムに変更内容が反映されてワンストップで住所変更手続きが完了します。これは便利ですね。免許更新時の講習もオンラインで受けられます。オンライン講習は便利だと思ったのですが、写真撮影や視力検査は引き続き免許センターなどで実施することになります。講習はオンラインで受けられても結局は免許センターに出向く必要はありそうで、この点に関してはあまり便利ではないと感じました。

マイナ免許証の最大のメリットは、手数料が低くなることかもしれません。免許証の新規取得は現行の2050円から1550円へ。更新は現行の2500円から2100円へ。こういうメリットを示してくれると、マイナンバーカードに対する国民の評価が高まる可能性はあります。

次にマイナ保険証です。健康保険証を一体化したマイナ保険証は2021年から本格導入されて、直近ではマイナンバーカード保有者の80％程が登録済みです。紙製などの現行の保険証は2024年12月で新規発行をやめ原則廃止する方針でしたが、2025年12月1日までは紙製などの現行保険証とマイナ保険証の「アナログとデジタルの併用期間」として、約1年間は現行の保険証もそのまま使用出来ます。

厚生労働省は当初、2024年12月1日から紙製などの現行保険証をマイナ保険証に完全に切り替える予定でしたが、ここに来て方針転換です。このまま切り替えると国民の不安が解消出来ず、10月の衆議院選挙でマイナ保険証への移行が争点化したことも大きいです。移行方針を堅持する自民党に対して、立憲民主党・共産党・社民党などが現行の保険証の存続を主張しました。

衆院選で大きく議席を減らした自民党。当面は現行の保険証も使用出来ますが2025年は参議院選挙もあり、政治情勢次第では再度の方針転換もあるかもしれません。

この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム　代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、１級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞（全社1位）をはじめとして住友林業グループ表彰（年間全社3位以内）を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。