JR中野駅前にそびえ立つ中野サンプラザ。
2023年7月に営業は終えており、解体工事をして新たに商業施設、住居(マンション)、オフィス、ホテルが入る高さ262メートルの複合施設に再開発されて生まれ変わる予定でしたが、その計画が停滞しています。中野サンプラザホールは2222席を備え、国内外のアーティストの公演も数多く開催されました。中野サンプラザで結婚式を挙げた知人もいました。
今回は中野サンプラザについて書きたいと思います。

中野サンプラザの再開発は計画が見直されます。大きな要因は建築資材高騰などによる総事業費の大幅上昇です。
事業主体は野村不動産などで、工事は清水建設が請け負います。清水建設が2024年9月、総事業費が2639億円から900億円以上上振れて3500億円超になるとの見積もりを示しました。2639億円は既に当初予定金額から見直した金額なので、3500億円超になると当初予定金額からは約2倍となります。野村不動産などはある程度の上昇は見込んでいたのですが、想定をはるかに上回る上昇のようです。2024年度中に着工し2029年度中に完了する予定でしたが、着工は2026年度以降に計画変更となります。
採算を確保する為に施設計画の部分的な変更にとどまらず、基本計画から見直します。写真は現在の中野サンプラザで、まだ解体工事にも着工出来ていません。住居を当初予定の4割から6割に引き上げる計画です。マンション需要は底堅く、オフィスよりも価格転嫁しやすい住居を増やして採算性を確保する狙いがありそうです。当初計画の用途面積の割合は住居4割、オフィス4割、商業施設・ホテル・ホールが2割でしたが、住居比率を引き上げます。多目的ホールは最大7000人収容出来る規模ですが、その規模は維持する予定です。
中野駅は東西線も通っており北口・西口でも再開発が続いており、中野サンプラザ跡地のマンションは中野駅徒歩2分程度の好立地のマンションとなるので、販売価格も高くなりそうです。
中野区などは建物解体前の中野サンプラザの固定資産税や維持管理費で、毎月2800万円を負担しています。区はスケジュール遅延による損害を野村不動産などに求めていました。野村不動産などは負担は困難とした上で、中野サンプラザ広場などを有償で借り、にぎわい創出の為に活用する案を示しています。
さいたま市では順天堂大学附属病院の巨大新病院の計画が中止になりました。ヘリポートを備えた大病棟の他、大学院棟、学部棟、外来棟、検査棟、陽子線治療施設、立体駐車場などを備えた大規模病院を建てる予定でしたが、こちらも総事業費の大幅上昇が計画中止の原因です。2015年1月に834億円を見込んでいた総事業費は2024年7月には2186億円へ。約2.6倍に膨らみました。
2025年4月から開催される大阪・関西万博も総事業費の見積もりが何度も上振れしましたが、今後も計画の中止や変更の流れが続くかもしれませんね。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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