生成ＡＩ

生成AI（人工知能）が進歩していますね。生成AIとは大量のデータを学習させて特徴を抽出して、適切な回答を導き出すことが出来るので、近年では最も注目されている技術の一つです。この10月に発売された新型スマートフォンの google pixel8 にも生成AIが搭載されており、いよいよスマホにも搭載される時代になりました。

 

生成AIは、将棋のプロ棋士がタイトル戦などで対局した過去の棋譜を読み込ませて、どんどん強くなったことが知られていますが、最近ではコンピュータ同士で将棋の対局をさせて、その大量の対局からもデータを学習して更に進化しました。人間が将棋を指すと1日に数局が限度でしょうが、コンピュータは1日に何十・何百局と指せます。それを吸収していくので今では将棋のトップ棋士が、先端の生成AIで学習させたコンピュータに勝つのは難しくなりました。チェスや囲碁でも同様にコンピュータの方がトップの人間よりも強くなりました。

 

生成AIは、将棋・囲碁・チェスなどのボードゲームだけでなく、多くの人の実生活に役立っています。例えば、肺がん・胃がんなどの診断写真の確認では、医師の確認よりも精度や速度が高まっています。また、商取引では契約書の条文の作成や、表現が適切なのか抜けている項目がないか、などのチェックにも用いられています。

 

「生成AIが人間をサポートする役割」ではなく、逆に「生成AIをサポートする役割で人間がいる」ケースもどんどん増えそうで、人間が今までは1日がかりで作業していたことが数分で完了することもあります。但し、学習させるデータには著作権があることが多く、その著作権保護などの課題もあり、人間と生成AIがうまく融合して利便性が高まっていくことを期待したいです。

 

さて、米国では、生成AIが原因の一つとなり映画業界でストライキが起こりました。脚本家が作った過去の作品を元に生成AIで学習させて、新作映画の脚本を作るケースが想定されており、その際の著作権や報酬の取り分などを巡る対立が起因しました。

 

同様にアクション映画などの撮影シーンでも、生成AIで作られた俳優やスタントマンを使うケースが想定されています。今まで映画シーンで活躍していた俳優やスタントマンが、生成AIが製作して俳優らが不要になる恐れもあり、ストライキが起こった要因の一つとなりました。

 

そんな中、認知症と診断された俳優のブルース・ウィルスさんは、逆に自身を生成AIで複製して映画やCMを出演させる権利を売却したとも伝わっています。様々な考え方があるようです。

 

最後に最も恐ろしい生成AIの活用としては、戦争で利用されることだと思います。生成AIは勝つ為なら手段を選ばなくなることが懸念されており、非人道的な武器を製造する技術を持ったり、それらの武器を使用したりする懸念があります。

 

世界ではあちらこちらで戦火を交えています。ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ・ガザ地区だけでなく、9月にはアルメニアとアゼルバイジャン、そしてミャンマーでは国軍と市民の内紛が続いており、中国とインドの国境を巡る諍いでも時々死者が出る衝突があります。人間は感傷的になるなどで引き金を引きそうになっても、親しい隣国や同盟国などの助言などで一線を越えずに理性的になり踏み留まることも出来そうですが、生成AIは自国の利益だけで判断して戦争が始めてしまう懸念があります。

 

生成AIは画期的で便利なので、現時点では利用すべきだと思いますが、国際的なルールの策定や利用範囲などの取り決めが重要になりそうです。