それをオンラインで！

勤めていた会社を退職する際に、退職者本人が会社側への退職届の届け出や退職の意思表示を伝えないで、退職代行業者を利用する人が最近は増えているそうです。私が知る退職手続きは、直属の上司に退職届を提出して仕事の引き継ぎ等を行い、上司や同僚などへの挨拶を行い、円満に退職するのが一般的な退職手続きと思っていました。退職代行業者を利用するケースでは、退職者本人がその会社と関わりたくない場合が多いようです。

 

複数の退職代行業者が盛況となる世の中ですが、退職届提出や結婚のプロポーズなどの様々なアクションを、オンライン上でやり取りすることを皆さんはどのように感じますか？そのようなアンケートを博報堂生活総合研究所が手掛けていて、世代や性別などを分類した調査で興味深いアンケート結果となったので紹介したいと思います。

「ご祝儀をオンライン送金で済ませてもかまわない」と答えたのは全体の44.8％に上りました。20代では52.4％と半数を超えました。「香典の受け渡し」も全体が37.2％だったのに対して、20代では44.4％を数え若い世代の方が数値が高かったです。

ビジネスシーンでも似た傾向が出ており、「仕事上の謝罪」をオンラインでかまわないとしたのは有職者全体の21.7％だったのに対して、20代の有職者は33.6％が問題ないと答えました。

「退職届の提出」も有職者全体が41.9％だった一方、20代の有職者は48.7％が肯定していました。「紙や対面にこだわる必然性がない」と考える若い人が増えていて、私にとっては驚きを感じる結果でした。

人間関係の築き方にも世代間で差が出ています。「一度も会わずにオンラインでつながっている人がいる」との回答は全体で23.0％でしたが、20代では34.8％、10代では42.7％と若い世代ほど高くなりました。「初対面の人と会う前に必ずSNSを確認する」は全体が16.6％でしたが、30代は30.6％、10代は33.2％と全体のほぼ2倍の割合を占めました。名刺よりもSNSが第一印象を決める可能性が高まりそうで、私も留意したいと感じました。

しかし、若い世代の人達が、なんでもデジタルで済ませるドライな世代とは言い切れないアンケート結果もありました。「親しい友人や家族と位置情報を常に共有している」人は20代が24.7％、10代が33.0％で全体の17.3％を上回ります。近しい人にはデジタルを通じて親密さを深める傾向がみられました。

恋愛の場面では世代よりも性別が特徴的で、「デートをオンラインで済ませてもいい」と答えたのは全体は14.9％で、20代でも17.8％と「全体」と大きな差はありませんでした。しかし、細かく内容を紐解くと男女差が大きく、20代男性は23.4％に対して20代女性は11.9％、10代男性は21.8％に対して10代女性は9.4％と大きく差が開きました。

「プロポーズ」も同様で、オンラインでもかまわないという人は全体では14.4％、20代でみても19.4％に過ぎません。20代女性が11.3％と全体を押し下げている反面、20代男性は27.1％は肯定的でした。10代でも男性が21.2％、女性は8.8％と性別の差が鮮明でした。

デートもプロポーズもオンラインで行うことは私としては考えもしませんでしたが、そのような考え方もあるということをこのアンケート結果で感じることが出来ました。年齢性別で傾向はあるものの、最終的には人それぞれだと思いますが、このような傾向があることを今後は頭に入れておこうと思います。

この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム　代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、１級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞（全社1位）をはじめとして住友林業グループ表彰（年間全社3位以内）を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。