2026年2月8日(日)は衆議院選挙でした。北国だけでなく東京でも雪が降る中、一票を投じた人も多かったでしょう。
選挙結果は既報の通り、自民党が歴史的な大躍進をしました。
今回は公示日から投票日までの期間が短く多くの自治体で選挙準備に追われており、期日前投票が可能な期間に入っても投票所整理券の発送が遅れている自治体が多かったようです。選挙準備が遅れている自治体の一部では、投票書整理券をこれまでのように普通郵便での郵送から今回は速達郵便に変更した為に、余分に千数百万円もの郵送費が増加した自治体もあったようです。
友人が住む新宿区でも選挙準備が遅れていた為、掲載写真のような「遅れています」という状況を告知するチラシを作成して、スタッフを雇って住戸へポスティングしておりコストの増加になったようです。
選挙のコストとしては、実際に投票箱に入れる投票用紙の単価も上昇しています。投票用紙はただの紙切れに見えますが、実際はプラスチック製で、二つ折りにして投票箱に入れても中で自然に開くようになっており、開票作業の時間短縮に貢献しています。プラスチック製なので破れにくくて水にも強くなっています。
愛媛県の選挙管理委員会によると今回の投票用紙は3.6円で、3.3円だった2024年の衆議院選挙より円安などの影響もあり、1割近く上昇しました。価格は各選挙管理委員会と印刷会社の契約ごとに異なるものの、他の選挙管理委員会でも「前回より1〜2割上がった」との声が殆どでした。
超短期決戦の選挙スケジュールに合わせる為に「印刷所に急ぎ対応を依頼した分、コストが増加した」「配送にかけられる時間が短かった為、輸送費も高くなった」との声が相次ぎました。色々なところでもインフレが進んでいます。
今後の大きな注目は、衆議院選挙でチームみらい以外の政党が公約としていた消費税減税です。自民党内でも、減税に慎重意見がありますが、高市総理は公約通りに検討を加速させるようです。選挙後のインタビューでは「赤字国債に頼らず、2年間限定で食品の消費税を0%への議論を国民会議ではかります」という趣旨の回答をしていましたが、チームみらいも衆議院で初の議席を獲得しており、消費税減税に反対する人の受け皿となりました。
1人の国民としては食品の消費税の支払いが無くなれば、その分を他の消費に充てるなど出来て嬉しい面もありますが、消費減税はそう簡単なことでは無さそうです。
消費税は年金・医療・介護・子育ての社会保障4分野に充てることになっています。この方針を決めたのが2012年で、「社会保障と税の一体改革」と呼んでいます。この社会保障の原資となる消費税収のうち、食品に課税される8%を0%にすると、年間5兆円もの税収減となり、代替財源の確保が問題となっています。5兆円もの財源を裏付ける議論は選挙中に深まっておらず、また高市総理が赤字国債に頼らないと発言しており、その他国防費の増加も見込まれる中でどのような決断をするのか注目されます。
1989年に3%の消費税を導入してから、消費税導入や消費税率を上げる際には与党が選挙で大敗する歴史があります。10%(飲食料品は8%)まで年月と議論・労力を費やして少しずつ上げた消費税率。それを0%に2年間だけ下げた後に8%に戻すことは、私には無理に思え、店内飲食とテイクアウトで価格が異なる一物二価という問題も出てきます。
2年後の経済状況は誰にも分からず、果たして一気に8%に戻せるのか不透明です。一部事業者は消費減税と同時に価格転嫁(値上げ)する動きも予想され、消費減税分の恩恵がしっかりと受けられないとの識者の見解や、飲食店各社・小売店各社などのシステム再構築などの現場の混乱もありそうです。
そして、何よりも、やはり子供の世代にツケがいくようならば消費減税は素直に喜べないと考えています。もっとも、消費税収は足元で増えており、2024年度は25兆円と前年度比で8%増えました。物価上昇で様々なモノの価格が上がったことが影響しています。
しかし、消費税収が増えても社会保障費も増えており、全くカバー出来ていません。少子高齢化で社会保障費も膨らんでおり、2025年度の当初予算では14兆円も足りず、足りない分は国の借金である赤字国債などで穴埋めしています。
既にこの状況で「食品の消費減税」をして「赤字国債に頼らない」は難しく感じます。「ファンドを作り、その収益を充てる」と主張した政党もありましたが、ファンドは収益が出ない時もあります。下がったら嬉しい消費税ですが、政治家の皆さんにはしっかりとした裏付けのある財源を確保した、責任ある議論をお願いしたいです。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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