10月上旬の臨時国会で消費税減税の関連法案が成立すると、飲食料品の消費税率が2027年4月から2年間、現在の8%から1%へ下がる見込みです。
事業者などへのヒアリングをすると、様々な疑問や問題点が見えてきました。
まずは消費税が下がっても、商品価格を上げる便乗値上げの懸念などから物価引き下げ効果への疑問があります。ヨーロッパではコロナ禍で一時的に付加価値税(日本の消費税に相当)を下げた国が相次ぎましたが、下げた税率ほど物価は下がりませんでした。
次に、値札の書き換えやシステム改変のコストや手間などの問題が浮き彫りになりました。中小の小売事業者にはレジ改修などの支援策として、最大350万円を支給すると直近で報じられており、財源が更に必要になります。
また、消費税の歴史を振り返ると、過去には国民に不人気な増税の際に政権が退陣に追い込まれたことが何度もあり、2年後には本当に元の税率である8%に戻せるのかとの疑念もあります。歴代政権が長い年月を経て3%→5%→8%→10%と政権の命運をかけて取り組んできたのが消費増税で、それを一気に1%に下げてしまって良いのかとの意見もあります。
高市早苗首相は「私が責任を持って2年後に確実に税率をもとに戻す」と発言しましたが、その時に首相であるかどうかは分かりません。
今回の消費減税には、1年間で5兆円規模の財源が必要とされ、2年間なら10兆円規模が必要ですが、財源は未だに示されていません。先ほどの中小小売事業者へのレジ改修支援だけでなく、消費減税によって収入が減ると予想される小規模農業従事者や、税率の差が広がり不利になる飲食業者への支援も講じるとされ、その支援費用も含めると更に多くの財源が必要になります。
消費減税は消費額が多い高所得者層の恩恵の方が、低所得者層よりも多くなります。一部の野党からは消費減税ではなく、中低所得者層の方々へのピンポイントで給付金を支給した方が有効ではないかとの指摘がありますが、報道各社の消費減税に対する世論調査は概ね賛成6割、反対4割くらいの比率で消費減税は反対票よりも賛成票が上回って、国民の支持はあります。
今回のブログは消費税減税の弊害や賛否などではなく、ちょっと切り口を変えて見てみました。実は私達が手にする商品の中で、似た商品でも税負担に差が生じることが分かりました。
レッドブル・ジャパンの「レッドブル」や大塚製薬の「オロナミンC」は食品扱いで、今の8%から2027年4月から1%になります。同類商品に感じる人も多い大正製薬の「リポビタンD」は、実は「指定医薬部外品」に分類されており現状の10%のままです。大鵬薬品工業の「チオビタ・ドリンク」も10%のままです。
喉ケア商品では「のど飴」は1%に、「トローチ」は10%のままです。
氷では「かき氷用の氷」は1%に、「保冷用の氷」は10%のままです。
調味料では「みりん風調味料」は1%に、「本みりん」は10%のままです。

酒類は従来から軽減税率の対象から外れており、今回の消費減税でも引き続き対象外ですので、ビール・発泡酒などは10%のまま据え置かれる一方、ノンアルコールビールは1%になります。これまで2%だった税率差は9%に広がります。
もちろん、ビール類とノンアルコールビールは似て非なるものですが、価格競争力に影響を与える可能性がありそうです。
全国スーパーマーケット協会の担当者は「ブランド力が強ければさほど影響はない」と話しますが、オロナミンC、リポビタンD、チオビタ・ドリンクなどは似たりよったりと思っていたライトな消費者には、9%の税率の差は大きく感じますがどうなるでしょうか。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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