2025.05.19 管理 その他 税制・法律関連 代表ブログ その他

老朽化マンションの再生を促す

老朽化マンションマンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案耐震性の不足バリアフリー基準建て替え

日本では国民の8人に1人がマンションに住んでいます。都内では更に比率が高くなります。

 

高度経済成長期だった1960年頃からマンション建設が進められてきましたが、老朽化が進んでいるマンションが増えており、今後も増えていくことが予想されます。老朽化したマンションの建て替えなどの再生を促す為に、政府は建て替え要件を緩和する法案を出しました。

 

今回は老朽化マンションの再生について書きたいと思います。

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国土交通省によると2023年末に、全国で約700万戸のマンションがありました。その中で築40年以上のマンションは2043年末には、2023年末と比べて3.4倍の464万戸に増えます。今後、古くなった物件の増加に伴って管理が行き届いていない物件や、管理組合や自治会が機能不全に陥って再生に進めない物件が増える懸念があります。

 

そこで、2025年3月に「マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案」を通常国会に提出しました。この法案が成立すれば一部を除いて2026年4月に施行されます。

 

現行法ではマンションの再生には区分所有者全員の賛成が原則必要で、建て替えのみ5分の4以上の賛成で実行に移すことが出来ますが、多くの賛成票が必要で高いハードルとなっていました。それが法改正されると、建て替え以外の再生手法でも5分の4以上の賛成で決議出来るようになります。

 

更に耐震性の不足やバリアフリー基準に適合していないといった問題があるマンションについては、建て替えでも再生でも4分の3以上の賛成で決議出来るようになります。

 

建て替え以外の手法でも、所有者らで設立する事業組合への税制優遇での支援も盛り込まれました。1997年の建築基準法改正で普及したタワーマンションも老朽化が今後進んでいくので、政府は法改正で今から制度を整えておくようです。

 

修繕の決議の際に所在が不明な所有者や、集会の欠席者を決議の母数から除外出来るようにして、建て替えや再生の前段階で管理不全とならない策も盛り込みます。新築段階から分譲業者が管理計画を作成して、国の認定を受ける仕組みも作られるようで、再生しやすい環境を整える動きが加速しそうです。

 

但し、建築費用が上昇しており、老朽化したマンションの建て替えの際には、所有者は多額の資金が必要になるケースが増えそうで、マンションには様々な年齢や職業の所有者がいるので個々の思惑は十人十色ならぬ「住人十色」です。集会では様々な意見が飛び交うことが予想され、資金だけでなく長い年月と労力が必要となりそうです。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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