2025.06.30 その他 購入・売却 投資 代表ブログ その他

サッポロホールディングスの不動産事業売却先

サッポロビールサッポロホールディングスサッポロ不動産開発恵比寿ガーデンプレイスGIGINZA PLACE(銀座プレイス)

サッポロビールなどを傘下に持つサッポロホールディングス(サッポロHD)。ポッカとも経営統合しており、ポッカサッポロも傘下に持っています。そのサッポロHDが不動産事業を売却すると発表しており、早ければ2025年11月にも不動産事業の売却先が決まる可能性があると報じられています。

 

今回のブログは、サッポロHDの不動産事業の売却について書きたいと思います。

 

不動産事業売却の2次入札は8月にも締め切られ、入札には資金力のある投資ファンドの他に、三菱地所や東急不動産などの大手不動産会社も2次入札への参加を予定しています。

 

売却の対象となっているのは、サッポロHD100%出資子会社であるサッポロ不動産開発です。サッポロHDの投資不動産の全体価値は2024年12月末の時点の時価ベースで4029億円にのぼります。そこには、複合商業施設の恵比寿ガーデンプレイスや、商業施設のGIGINZA PLACE(銀座プレイス)などが注目物件です。

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2024年12月に締め切られた1次入札では東急不動産は投資ファンドのベインキャピタルと組み、野村不動産は同じく投資ファンドのKKRと組んで、1次入札を突破しています。

 

三菱地所は地盤の丸の内エリア以外にも収益基盤を広げる為に、恵比寿に手を伸ばす目論見です。東急不動産は渋谷駅周辺の開発が後半戦に差し掛かり、その後の成長への種まきを急ぎます。もちろん新宿や銀座など、他の地域にも手を伸ばしています。

 

2次入札では提案力も大切ですが、何と言ってもやはり入札価格が焦点です。不動産業界では恵比寿ガーデンプレイスだけで4000億円という試算もあり、入札価格の算定が難しそうです。価格勝負となれば資金力のある投資ファンドや大手不動産会社が有利なので、その辺りが勝ち残りとなりそうです。

 

また、入札に関しては、恵比寿のビール醸造所などにどこまで手を入れられるかと言った不透明な要因があり、大手不動産会社の中には入札に参加しない企業もありました。実際に落札しても制約が多いと再開発が思うように進みませんからね。

 

サッポロHDの大株主である投資ファンドの3Dインベストメントは、サッポロHDに不動産事業を切り離し対価の最大化を求めています。サッポロ不動産開発が直接保有していない、間接保有の物件に関しても売却を要求しています。恵比寿ガーデンプレイスが最大の注目物件になっているものの、他の物件にも焦点が当たります。

 

サッポロHDは不動産事業売却で得た資金を、売上比率7割超の酒類事業に充当する方針です。とはいえ、サッポロHDの不動産事業は優良不動産が多く、サッポロHDにとっては大きな利益をもたらしてきた事業でもあります。

 

足元の事業利益の35%を稼ぐ虎の子の不動産事業を売却した後の、サッポロHDの経営計画に注目したいと思います。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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