マルウェア

11月下旬にLINEヤフーから、約44万件のLINEアプリの利用者情報などが流出したと報道がありました。

LINEやヤフーは利用している人が多いので影響も心配ですし、過去にも情報管理で問題があったので「またか…」と感じる報道でした。

 

大手プラットフォーマーの情報管理も難しいですが、個人としても以前に増して注意が必要となっています。それは、ウェブサイトからクレジットカード（クレカ）情報や決済情報などを抜き取る手口が、ここ最近は巧妙化されているのです。これらの情報を抜き取り、実際に被害が出ています。

 

アマゾンや楽天市場などに代表されるEC（電子商取引）サイトに不正なプログラムを仕掛け、利用者のクレカ情報を抜き取る「ウェブスキミング」と呼ばれる犯罪が11月に初摘発されました。このウェブスキミングの厄介なところは、正規サイトにプログラムを仕掛けるので利用者が気付きにくい点です。ウェブスキミングで流出した個人情報は、既に約20万件にも及ぶとのことです。ひょっとしたら私の個人情報や、ブログを読んで下さっている皆さんの個人情報も既に流出しているかもしれません。

11月に犯人が逮捕されたその犯行手口はアマゾンや楽天市場ではなく、音楽グループの公式サイトに不正なプログラムを仕掛け、グッズなどを購入しようと入力した利用者3人のクレカ情報を不正に入手した疑いで逮捕されました。これまでの犯行手口は公式サイトによく似たサイトに誘導して、個人情報を抜き取る手口が多かったのですが、それはURLが異なるので、偽サイトを見破るポイントがありました。しかし、ウェブスキミングでは正規サイトを悪用する為に、URLが同じで判別が出来ません。これは厄介です。

 

ある専門家は「利用者が不正なプログラムを見抜くのは難しい」と指摘しています。私を含めてECサイトを利用したことがある人は多く、近年は利用者も伸びています。事業者側が定期的なセキュリティチェックをして、プログラムの脆弱性を改善していくしか現段階では有効な手段が見当たらないようです。

 

もう一つ厄介な事案としては、Google Play ストアやApple APP Storeの公式ストアから配信されるスマートフォン用アプリにもマルウェア（悪意のあるプログラム）が仕込まれるケースも見つかっています。信頼性の高い大手ストアの審査をすり抜け、既に1億台超の端末にダウンロードされているようです。

 

利用者は知らないうちに個人情報などを盗み取られる恐れがあり、自衛の必要性が高そうです。日本では1人あたり20個のアプリをダウンロードしているというアンケート結果もあり、セキュリティ大手の米マカフィーのリポートではGoogle Play ストアとApple APP Storeの2ストアで流通するアプリのうち、60超でマルウェアが見つかり1億台超の端末にダウンロードされていたようです。

 

この信頼性が高い大手ストアで多くのマルウェアが見つかったのは、驚くと同時に深刻な事態だと思います。マルウェアを仕込まれたアプリはアンドロイド版で目立つようで、アプリの入手経路を自社ストアに限定するアップルに比べてアンドロイド版は流通経路が多様で、マルウェアを仕込みやすいようです。

 

アプリをダウンロードする場合は、利用者のレビューで異常を知らせる投稿の有無の確認や、マルウェア対策のセキュリティソフトの活用が効果的だそうです。いずれにせよ、正規サイトだからとて安心出来ないご時世なので、私達利用者側も一層の注意が必要になりそうです。