ＡＩ活用が広がる

様々なシーンで人工知能（AI）の活用が広がっています。

銀行の住宅ローン担当の人に聞いたのですが、住宅ローンの審査にもAIを活用する動きが広がっているようです。AIを導入するメリットは、まず融資の可否をほぼ瞬時に判断するのでかなりスピーディーです。そして、融資の判断は少なからず審査担当者の経験や勘に左右されるのですが、AIならそれがありません。

1日に何百もの住宅ローン申し込みがあり、審査チームは複数人体制で審査をしても着手するまでに待ち時間が生じます。また、均質な審査をする人材育成にも時間がかかります。そのような時間的な問題点をAIが解決してくれています。

 

複数の実証実験を経て、今では多くの銀行が審査にAIを取り入れています。とはいえ、AIは完全ではありません。AIが判断を誤るリスクがあるような案件は、人を介しての審査も実施しているとのことです。

他にはがん検診にもAIが広がっています。MRIや内視鏡の臓器などの写真から、医師の人達はがんの兆候を見つけてくれていますが、同じような臓器の画像を毎日のように見ていると、人間には見落としが生じることがあります。しかし、見落としは命に関わる一大事に繋がります。過去のがん患者の事例写真を数多くAIに読み込ませて、がんの兆候を見落としが少なく精度が上がってきています。医師とAIでのダブルチェックで補いつつ発見してくれており、このような医療の進歩は私達にとっても心強いと感じます。

もっと身近なところでは、駅での落とし物の対応です。

電車内や駅周辺での落とし物に関する問い合わせ対応にAIの導入が進んでいます。京浜急行では年間20万件もの問い合わせがあり、4月からは問い合わせ対応にAIを導入します。今までは電話での対応がメインでしたが、年に20万件もあると対応するのはかなりの労力です。4月以降は届けられた落とし物の写真を複数の角度からタブレット端末で撮影します。そして、拾われた場所や時間などの情報をタブレット端末に入力して、専用のクラウドに登録して京急側は完了です。

落とした人は自身のスマホからアクセスして、落とした物の特徴・日時・心当たりの場所などを入力します。そうするとAIがクラウドに登録された情報と照合してくれるようになります。更に落とした物と似た特徴の商品の画像を送ると、AIが絞り込みをしてくれてマッチングする確率を上げてくれます。京急だけでなく、他の大手鉄道事業者でも導入が進んでいるようです。

その他、街中にある自動販売機。その自販機に飲料を補充する人達もにAIを活用する動きがあります。

自販機の商品の売れ行きは季節・気候はもちろん地域特性などがあり、補充する種類・量や巡回ルートなどは担当者の経験や勘に頼るところが多かった業種の一つです。そんな経験豊富な担当者であっても欠品が出たり、一方で特定の商品の在庫が過剰になったりすることがありました。

その分野にAIが商品構成や補充、在庫管理、巡回ルートを自動作成してくれて、スマホなどで在庫管理も可能になっています。実証実験では自販機1台あたりの売上が5％アップして、スタッフの管理業務も時間短縮につながりました。

このように身近な様々な業界やシーンでAIの導入が進んでいます。前回のブログで書きましたが、日本では人が減っていきます。このようなシステムの導入で労働力不足を補って、どんどん便利な世の中になって欲しいと思います。

この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム　代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、１級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞（全社1位）をはじめとして住友林業グループ表彰（年間全社3位以内）を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。