近年は都内のマンションの価格が上がり、買おうにも手が届かない価格になりつつあると感じる人が増えてきました。かつては自宅購入は「一生の買い物」という概念が浸透していましたが、最近はそのような概念が薄れてきつつある実態が見えてきました。今回はその件について書きたいと思います。
バブル崩壊後は転居の際に10年ほど住んだ自宅を売却すると、買った価格よりも売った価格の方が低い事例が一般的でした。売却時に大きな損が出て、売却代金でローン残債が支払えないことはよくあることでした。
最近の東京など都心部の物件を中心に、何年か住んだ物件を売却すると利益が出ることが当然のようになっています。都心部ほどその傾向が強く、概ねリーマンショックを経て流れが変わったように感じます。その流れに乗じて1〜2億円くらいの高額のマンション(億ション)を買う高収入世帯が増えており、その人達は「子供が大きくなったら売却するつもりで、資産価値が値崩れしにくそうな物件を選びました」との考え方が増えているのです。先々の売却を考えて投資商品として居住物件を捉えて、半分投資・半分居住の「半投半住」という考え方です。
パワーカップルと呼ばれる夫婦2人で世帯収入が1500万円や2000万円を超えるような世帯で、このような考え方が顕著のようです。交通利便性が良くてステータス性がある億ションを買って、住居として使った上で将来的に売却するのです。
目先の住宅ローン金利は上がりそうな気配ですが、バブル期と比べるとまだまだ低利なので、パワーカップルであれば1億円を超えるローンを組んでもコストはまだまだ低いです。売却時には仲介手数料などのコストが必要になりますが、同クラスの住居に家賃を支払って賃貸住宅に10年住むと3000万円、4000万円、5000万円といった家賃を支払うことになりますので、買った物件の売却時に売却益が出るとメリットは大きい訳です。
ライフルホームズ総研が2024年4月から5月にかけて、首都圏か大阪でタワーマンションを5年以内に売却した経験を持つ人を対象に実施したアンケートでは、36.8%の人が購入時に「いずれ売却しようと思っていた」と回答しました。ファミリーマンションの一次取得者が子供の成長に伴って、より広い物件に買い替えることは昔から一般的に行われてきましたが、売却益を強く意識する人が増えている実態が見えてきます。
需給面で考えるとニューヨーク、ロンドンなどの世界の大都市と比べると東京のマンションは割安で、足元の円安もあり海外の富裕層が都内の億ションを買うケースも多いです。当ブログでも取り上げた建設現場の2024年問題もあり、工期も長くなりがちで建築費も上昇基調ですので、マンション価格は下がる気配がありません。
「半投半住」という考え方は、少なくともしばらくの間は良い考え方かもしれません。
株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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