テレビCMや新聞、雑誌などを通じてリバースモーゲージを目にしたことがある人もいらっしゃると思います。今回は老後の生活資金として知られる、リバースモーゲージとリースバックについて書きたいと思います。
リバースモーゲージとは、所有する自宅に住み続けながら、自宅を担保に資金を調達する手段です。自宅に抵当権を設定して消費貸借契約を結ぶことになります。契約者が生存中は元本を返済せずに月々は利息払いだけになるので、毎月の手元資金が潤うことになり、日々の生活にはゆとりが出ます。契約者が亡くなってしまったら、相続人が自宅を売却するか、金融機関へ代物弁済するなどで元本を返済することになります。
リバースモーゲージには大きく2つのタイプがあり、リコース(遡及)型とノンリコース(非遡及)型から選択出来ます。
リコース型は比較的に低金利ですが、自宅の売却代金よりも借入金残高が多かった場合に相続人は返済義務があります。ノンリコース型は比較的に高金利ですが、自宅の売却代金よりも借入金残高が多かった場合に相続人は返済義務がありません。また、ノンリコース型は融資限度額がリコース型よりも低めになることが多いです。
気になる融資限度額は自宅の実勢価格の50〜60%程度に設定されることが多く、仮に実勢価格が5000万円の自宅を担保にすると2500〜3000万円程度の融資を受けられることになります。金融機関によって査定額や掛け目や金利は異なるケースが多いです。
亡くなった契約者に配偶者がいる場合は「連帯債務型」を選択して、配偶者に契約が引き継がれるようにしておくと配偶者がそのまま住み続けることが出来ます。また、後々のトラブル防止の為、金融機関は推定相続人の全員から同意を求めるケースが多いです。また、金利が上昇傾向になりつつあるので、金利の動向にも注意が必要です。
次はリースバックについてです。賃貸借契約がセットになった売買契約で自宅を不動産会社などに売却して、その不動産会社から賃貸して自宅に住み続けることになります。所有権は不動産会社に移転するので固定資産税を支払う必要は無くなります。
売却代金の使途は自由なのですが、売却代金は実勢価格の60〜80%になると言われています。一般的な年間賃料の相場は売却価格の10%程度とされ、売却価格が3600万円ならば年間賃料は360万円となり、月額30万円の賃料を払い続けなければいけません。また、賃料の滞納があると立ち退きを請求されることになります。注意点は年間賃料が売却価格の10%ということは、10年住み続けると賃料で売却代金を使い切ることになるので、10年後のことも考えないといけません。
リバースモーゲージとリースバックの共通点は、どちらも相続人に不動産を残せません。どちらも老後の生活資金を確保する為の手段として知られていますが、通常で売却した方が高値で売却出来ると思います。メリットだけでなく、デメリットやリスクを加味して、慎重な判断をおすすめいたします。
株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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