最近はちょっとしたコメ騒動となっていますね。コメ騒動は社会科・歴史などの授業で習った記憶があります。
コメ騒動を改めて調べてみると、今から100年以上前の大正時代に起こった出来事で、第1次世界対戦が始まり欧州の強国が軍需産業に傾斜する中、日本が欧州への軍需品の輸出などで国内が好況になったことがきっかけで起こりました。今夏はスーパーなどの店頭に一時的ですがコメが消え、ちょっとした不安を感じる人もいらっしゃったと思います。
今回のブログは、今夏に起こった「令和のコメ騒動」について書きたいと思います。
店頭から一時的にコメが消えました。しかし、9〜10月に入り新米が流通するようになってからは、入手しやすくなりました。店頭価格は概ね5割ほど上昇しているでしょうか。2倍くらいで売られている地域もあるようで、品薄状態が続いています。
かつては余っていると言われたコメがなぜ消えたのでしょうか。それは昨夏には猛暑により白濁などの高温障害に見舞われるコメが大量発生して、市場に流通されるコメが大幅に減ったところに円安を背景とした海外からの旅行者のインバウンド需要や、麺類やパン類の値上がりによるコメの割安感からコメに人気が出ました。そこにダメ押しのように、政府が8月8日に発令した南海トラフ地震臨時情報で、人々がコメの備蓄に走ったことが影響したと言われています。
大阪府知事は8月下旬に「あえて倉庫に眠らせておく必要はない」と政府の備蓄米の流通を求めました。私も同感でしたが、当時の農林水産大臣は「民間在庫はある」と言いコメ不足は認めていません。
農林水産省は生産者保護の観点から減反政策を進めていました。2018年だったと記憶していますが表向きは減反政策は取りやめましたが、その後もコメ農家には他の作物に転作を促して減反補助金を支払い、コメ流通量の調整をしてきた事実上の減反政策のツケが今夏にきたのだと感じます。
政府は毎年20万トンのコメを約500億円を投じて買っており備蓄米となっています。更にコメ農家には減反補助金を約3000億円を与えている結果、国民は合わせて約3500億円もの血税を投じて高いコメを買っていることになるのです。
しかも、減反補助金には大きな矛盾が生じています。零細なコメ農家は小麦・大豆・トウモロコシなどに転作する技術を持っておらず、タネだけ撒いて収穫しないケースもありました。
この為、エサや輸出用途のコメを転作作物として、主食用コメとの価格差を補助金としてコメ農家に払うことになり、日本国民は高いコメを買う一方でエサ向けや輸出向けとなったコメは安くなる一物多価の状態となっています。同じコメでもエサ向け・輸出向けとなるだけで安くなる矛盾が生じるのです。事実上の減反政策をやめてコメ価格を下げて輸出し、国内流通量は輸出量で調整するなどで価格調整を行う手段があるはずです。
8月頃に当時の農林水産大臣は「新米が流通すれば需給の逼迫は和らぐ」という趣旨の発言をしていましたが、農家やJAグループなどに向けて「コメ価格は安くしません」と言ってるように聞こえました。確かに備蓄米を流通させるには一定期間を要すると思いますが、インフレが進んでいる状況で高止まりするコメ価格を容認するのは困ります。
先日に伺ったファミリーレストランでは無料だったライスの大盛り変更が、50円の有料加算されるようになっていました【掲載写真】。また同店ではライスの単品価格の値上げもされていました。同業他店ではライスお代わり無料だった定食店がお代わり不可になるなど、今後もこのような動きは広がりそうです。
コメを大量消費する大手外食チェーン店では価格よりも調達することが優先されるようになっています。コメが無ければ商売にならないからです。今夏も猛暑だったことを考えると、来年の今頃も供給不足となり一段とコメ価格の上昇もあるのではと考えてしまいます。
今年も猛暑でした。来年もコメ騒動が起こるのでしょうか。
今のところはコメ騒動が起こる状況ではなさそうです。
コメ処の新潟県産コシヒカリの今年の一等米比率は89%で、2023年度の5%弱から大きく改善しています。他の地域は詳しくは分かりませんが、前年度と比べると良好だそうです。
石破政権になり農林水産大臣も新たに変わりましたが、しっかりとした運営を期待したいです、
株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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