2024.11.21 マンション 管理 その他 代表ブログ その他

タワーマンション内への配達を管理員が担う

タワーマンション宅急便の配達ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便大和ライフネクスト再配達率

都内だけでなく地方圏にも多くのタワーマンションが建っており、今後も建てられていきます。タワーマンション居住者への宅配便の配達では、一般的な中低層マンションよりも手間がかかると聞きます。

 

今回はタワーマンションへの配達にスポットを当ててみました。

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タワーマンションは高層ですので、マンション内のエレベーターが低層用と高層用に分かれています。45階建て超高層のタワーマンションであれば低層用・中層用・高層用などに細分化されており、例えば、低層用が1〜15階、中層用が15階〜30階、高層用が30階〜45階などと目的階によって乗るエレベーターが異なります。

 

物件によっては、最上階と最上階の一つ下の2フロア程度の部屋のみが使えるエレベーターが設置されている物件もあります。このように多数のエレベーターの設置状況に加えてセキュリティシステムも複雑化しており、タワーマンション内にはインターフォンが3つ位ある物件も多く、インターフォンがあるゲートを通る度に目的の部屋へチャイムを鳴らしてゲートを開けてもらわないといけません。

 

タワーマンションによっては宅配業者は、業務用エレベーターを使わなければいけない物件もあると聞きます。業務用エレベーターは低層用・高層用などに分かれておらず、引越し業者やリフォーム業者などと同じく1階〜最上階を稼働する大きな業務用エレベーターで配達することになります。扉が大きく開閉に時間がかかる上に昇降スピードも遅く、マンション内に出入りする様々な業者が利用する為、とても時間がかかるのは想像出来ます。

 

こうした物件の特徴から、宅配便の配達員からは「タワーマンションへの配達はかなり大変だ」との声か聞こえてきます。

 

日鉄興和不動産が大手物流会社に、タワーマンションへの宅配業務に関して所要時間の聞き取り調査をしました。調査対象となったタワーマンションは約50階建てで総戸数が約1000戸です。ある調査日の宅配件数は27件、集荷件数は5件、不在件数は5件でしたが、その総所要時間は約4時間15分だったそうです。1件と言っても大きな荷物もあれば冷凍便もあったりと荷物は様々で、荷物によっては1つ届けては地下駐車場まで降りて、再度エレベーターで昇って別の部屋に向かうこともあるでしょう。しかし、30件余りの宅配・集荷で4時間超も要するとは思いませんでした。

 

また、受取人が不在でマンション内の宅配ロッカーに入れようとしても宅配ロッカーに空きがなく、配達出来ずに持ち帰って再配達の指示待ちとなるケースも多いようです。

 

フードデリバリーサービスの配達員もタワーマンションへの出入りは大変のようで、配達員が受け付けで手こずったり建物内の別棟に迷い込んだりで、マンションエントランスから受取人にたどり着くまでに数十分を要したこともあるようです。これでは料理が冷めてしまいます。

 

また、引越し業者も大変で、他業者と引っ越し日時がかぶって敷地内駐車場の確保に時間を要したり、養生の箇所も多くなるなどコストアップになるようです。

 

タワーマンションに住んでいる友人が言うには、「外出する際に地下駐車場で忘れ物に気付いて、部屋に取りに戻るだけで15分くらいタイムロスになる」と言っていましたので、慣れた人でも相応に時間を要するので慣れない人なら尚更です。

 

そんな中、大手ハウスメーカーの大和ハウス工業では、傘下の管理会社である大和ライフネクストが、管理業務を担うマンションの各住戸に送られてきた荷物を管理員がまとめて受け取り、住戸別に届けるサービスを始めます。居住者の同意を得た上で、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便と連携して取り組みます。住まいの利便性向上や再配達などの負担削減を目指します。

 

2024年11月11日から東京都中央区にある約200戸のタワーマンションで実証実験を始めました。この物件の居住者宛てに送られる荷物は、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便の3社で1日に約100個に上り、30個ある宅配ボックスは空きが無いことが多く、再配達になるケースも多いようです。

 

この物件の管理を務める大和ライフネクストの社員が3社からの配達物を一括して受け取り、新たに設置した倉庫に一時保管します。管理員が指定時間に合わせて届け、不在ならば宅配ボックスに格納します。3社は大和ライフネクストに対して荷物1個ごとに委託料を支払い、荷物の宅配業務が増えた管理員は給料に反映させます。

 

実証実験は2025年1月末までの予定で、管理員の負担や配達効率などを確かめながら他のマンションにもこのサービスを広げる予定です。都内や大阪市など大規模物件が多い地域を中心に展開し、エリアを少しずつ拡大していく考えです。

 

国土交通省は荷物の再配達率を6%に下げる目標を掲げていますが、足元では約10%です。タワーマンションでは総戸数に対して宅配ボックスの数が少なく、再配達率が高いとされます。このような取り組みが広がれば、受取人(居住者)・管理会社・宅配業者の皆さんがウインウインになるかもしれません。

 

※掲載の画像と本文中の実証実験とは関係ありません。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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