住みたい街ランキング

今回は「住みたい街ランキング」について書きます。

「住みたい街ランキング」という言葉を耳にしたことがある人も多いと思います。かつての首都圏ランキングでは吉祥寺や自由が丘などが、ランキングの上位に入ることが多かった記憶があります。

しかし、調査する会社・媒体、そして調査対象者によって、結果は大きく変わることはあまり知られていません。ここ1ヶ月でリクルートの不動産情報サイト「SUUMO」、そして大東建託が住みたい街ランキング2024を発表しているのですが、その結果も異なっていました。

SUUMOでは1位・横浜駅、2位・秋葉原駅、3位・北千住駅、4位・巣鴨駅、5位・練馬駅となっていました。

大東建託では1位・吉祥寺駅、2位・横浜駅、3位・みなとみらい駅、4位・大宮駅、5位・鎌倉駅となっていました。

横浜駅はどちらも上位ですが、その他のトップ5のエリアは大きく異なっていました。SUUMOではいわゆる下町情緒がある駅も上位に入っているのに対して、大東建託は東京・神奈川・埼玉の主要駅が入った印象です。

ともに横浜駅が上位に入った要因としては、横浜駅の周辺では世界最大級の音楽専用ホール「Kアリーナ横浜」が2023年に開業したり、近隣駅でも再開発で大型商業施設が相次いでおり評価されたようです。やはり、再開発は人気が高まりやすいようでタワーマンションが立ち並ぶみなとみらい駅や、タワーマンションの計画が進む北千住駅が上位に入りました。

SUUMOの調査対象は首都圏（東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県に加えて茨城）に住む20〜49歳の9335人で、大東建託の調査対象は1都3県に住む20歳以上の約54000人に行った調査でした。

SUUMOは日本最大級の不動産サイトで賃貸住宅を探すだけでなく、新築マンション・中古マンション・中古戸建・土地を購入する為に検索するので、購入（売買）で探す人も調査対象者に多く含まれていたと思われます。ネットで物件の検索だけでなく、写真のようなフリーペーパーをコンビニなどで入手することが出来ます。

 

対して大東建託は賃貸住宅の建築請負から一括借り上げで圧倒的な存在感がある企業で、賃貸仲介も首位です。同社は土地を保有している人にアプローチをしてアパート建築を請負し、一括して借り上げて賃貸入居者を募るビジネスモデルです。よって同社の調査対象者は賃貸入居者が多いと思われます。

このように、調査対象者の違いや質問方法・質問内容などの違いで、SUUMOと大東建託の調査結果が異なったと思われます。

その他あまり有名ではないかもしれませんが、東京商工リサーチが発表してきた「社長の住む街（町）ランキング」というランキングもあります。但しこれは2024年10月から登記簿で公開される代表取締役の住所について、希望があった場合は非公開にする方針を法務省は固めました。「プライバシーが必要」という経営者側からの要望を受けたものです。その結果、社長の住む街（町）ランキングも2023年発表が最後となりました。

ちなみに社長が住むトップ3は1位・港区赤坂（4099人）、2位・新宿区西新宿（3395人）、3位・港区六本木（3241人）でした。SUUMOや大東建託が発表した住みたい街ランキングは「駅」ですが、東京商工リサーチは「町」での違いはあります。港区赤坂は前回発表の2021年に続き首位となりました。コロナ禍でリモートワークが広がりましたが、アフターコロナの最近では出勤する人が増えています。

社長が選ぶ立地の傾向としては都心から離れた静かな立地から、若い社長を中心に職住近接を重視する流れとなっているようです。私が若いかどうかは別にして、私は弊社がある六本木ヒルズの比較的近くに住んでいます。また住み替えるかもしれませんが、今の考えはオフィスの近くでしっかりと頑張ろうという覚悟です。

この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム　代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、１級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞（全社1位）をはじめとして住友林業グループ表彰（年間全社3位以内）を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。