2024.08.05 マンション 管理 その他 税制・法律関連 代表ブログ その他

バルコニー喫煙

バルコニー喫煙隣人トラブル喫煙タバコ

単身者などが多く住む都心部のワンルームマンションでは、隣人がどのような人なのか知らないケースが多いようです。仕事に対して一生懸命な人に多く見られ、「朝出掛けて日中は仕事で自宅は不在、夜に帰宅してシャワーを浴びて寝るだけ」のような生活パターンが状態化していると、隣人と出会う機会も限られる訳です。

 

ファミリータイプのマンションですと隣人の子供を見掛けたり、元気な声が聞こえてきたり、買い物に出掛ける時に出会って会釈をするなど、段々と顔見知りになっていくことも多いでしょうが、単身者が住むワンルームマンションでは少なそうです。

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今回はマンションの隣人とのトラブルについて書きたいと思います。
 

マンションの隣人とのトラブルの原因として多いのは、騒音、ニオイ、禁止されているペットを飼うなどが多いです。今回は「隣人がバルコニーで喫煙をして、タバコの煙やニオイが入ってくる」というトラブルについて取り上げます。

 

タバコの煙が流れてくると干している洗濯物にニオイが付着したりして隣人の健康に害を与えることになり、禁止しているマンションが近年は増えています。しかし、室内で吸うと同居家族から嫌がられたり、室内にニオイが残るのが嫌だといった理由から、禁止されていてもバルコニーで吸う人がいることもあります。また、吸っている人は爽快でも、煙が流れてくる方は不快に思うこともあります。懸念を伝えて吸うのをやめてくれたら良いのですが、やめてくれない場合は困ります。実際にトラブルがこじれて裁判になった例もあります。

 

2012年の名古屋地裁の判決では上階に住む女性が下階に住む男性に対し、バルコニーで吸うタバコの煙が原因で体調が悪化したと訴えて損害賠償が認められました。女性は男性に対して再三バルコニーでの喫煙をやめるように求めていましたが、男性は従わずに喫煙を続けました。当該マンションの管理規約や使用細則では禁止されておらず、男性は「喫煙しているのは(男性が)所有している建物内であり、私生活における自由が尊重されるべき」などと主張しました。

 

分譲マンションのバルコニーは専有部分ではなく、共用部分に該当しますが専用使用権が与えられています。通常使用の範囲内であれば、各区分所有者やその家族等が自由に使えるのが一般的です。

 

判決では管理規約や使用細則でバルコニーでの喫煙が禁止されていなくても、他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら喫煙を続け、喫煙行為を防止する措置を取らない場合には、喫煙が不法行為を構成することがあり得るとの判決でした。他方で喫煙による体調悪化との因果関係は認めず、「(女性も)近隣のタバコの煙の流入をある程度は受忍する義務がある」としました。

 

喫煙者には肩身が狭くなる判決ですが、同じマンションの住人同士の訴訟はなるべくならお互いに避けたいのが本音です。ゴミ出しや買い物の際などに顔を合わせることもあるでしょう。実際には分譲マンションの管理組合で問題を共有しながら、住人の理解を深めていくことが大事になりそうです。

 

※写真掲載のマンションと上記名古屋地裁の判決は関係していません。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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